「目標とは?」あらため「目標と目的とは?」

おはようございます。TA竹内です。

今日のテーマは「目標とは何か?」です。が、先に言っとくと、「目標と目的とは何か?」がテーマになってしまいました。目的と目標を別々に語ることができなかったからです。

この2つ、わかりきった話のようで、意外と奥が深いです。去年TA同士で話していた時にはあまりピンとこなかったことが、結構つながった気がします(それは違う機会に投稿します)。

1.目標と目的の定義

まず、卒論や修論でやるように広辞苑で定義を確認しておくと、

目標:目じるし。目的を達成するために設けた、めあて。的(まと)。

ついでに、目的を確認すると、

目的:成し遂げようとする事柄。行為の目指すところ。意図している事柄。

つまり、

目標とは、成し遂げようとする事柄を達成するために設けた、めあて。

結構シンプルですね。

2.目標と目的の違い

にもかかわらず、目的と目標の違いを簡潔に説明するのは割と難しく感じませんか?

その理由は、

  • 目的の射程や範囲を変えても、目標と目的の構造が変わらない
  • 目的の射程や範囲を変えると、対象の抽象度(呼び方、位置づけ)が変わる

からだと思います。

「構造が変わらない」とは、「目標が目的に従属する関係性が変わらない」という意味です。広辞苑の定義でも、目標の定義に目的が所与のものとして登場しています。これは、目的が目標を決定づける動機だからです。

「抽象度が変わる」とは、「目的がより具体的になると(目的の目標化)、それに伴い目標もより具体的になる(目標の施策化)」という意味です。もちろん、逆も起こりえます。

例えば、ある人が「会計・税務のプロになる」という目的をもって、「1年以内にCPAを取得する」ことを目標とした設定した場合を想定します。

この時、当初の目的をさらに深掘りすることで、より抽象度の高い(あるいは射程が遠い、範囲が広い)目的に到達することができます。例えば、「ミレニアル世代の資産を守り、増やす」という目的に到達するかもしれません。

そうすると、これまで目的だった「会計・税務のプロになる」というのは「ミレニアル世代の資産を守り、増やす」ことを実現するための目標になり、「1年以内にCPAを取得する」のは「会計・税務のプロになる」ための施策となります。

目的が目標の動機であるという構造は変わらずに、それぞれに対応した中身の抽象度が1次元上がっています。目的も、目標も、常に一段階上位の概念からみたら、目標、施策に変わってしまうし、その逆もしかりということですね。

ここに、目的と目標の違いの説明しにくさがあると思います。

(本当は一発でわかる絵がかけるんですが、文章書くのに相当時間を使ってしまったので、また今度)。

3.実際のところ

とはいいつつ、みなさんは受験勉強や部活動等を通して、目的や目標、施策をなんなく設定し、実行してきたと思います。

例えば、「○○大学に入りたい」「ラグビーで花園に行きたい」という目的を設定して、それを実現するために、「3カ月以内に苦手な数学の点数を20%あげる」「○○戦ではモールを生かしてボール支配率を10%あげる」という目標を立てたことがあるのではないでしょうか。さらに、目標を達成するために「毎日2時間、数学の問題を解く」「下半身の強化トレーニングを1.5倍やる」のような施策を実行したことがあるのではないでしょうか。

多かれ少なかれ似たようなことに取り組んだ経験があると思います。

アントレ講座や就職活動で企業の採用担当者が聞いてくる「目標とは何か」「将来やりたいことは何か」というのに答えるのは、みなさんの頭の中に漠然とある「○○大学に入りたいのはなぜか」「なぜ花園に行きたいのか」という思いの根源的な理由を明らかにするようなものです。

全ての人が10代、20代で「何がしたいか」という根源的な欲求を明らかにしたり、人生に対する明確な目的意識を持つのは難しいと思います。また、射程の長い目的意識を持つことが必ずしもその人にとって良いこととは限らないと思います。若くして夢や人生の目的を絞り込んだから大成功を収めた人がいる一方で、絞り込んだが故に(つまり、選択肢を減らしたので)「こんなはずではなかった」という思いをしている人がいるからです。

4.じゃぁ、どーすりゃいいの?

なので、どの程度の射程で目的や目標を設定するかは人それぞれで全然かまわないと思います。思いつく範囲で考えればいいし、決められないというのも答えかもしれません。時間の経過とともにかわるかもしれません。

大事なことは、その時その時に出した結論(決められない、答えが出ないというのも含めて)に、自分自身が納得していることだと思います。後から振り返った時に、選ぶべきじゃなかった選択肢があったとしても、その時の自分は納得してしていたという自信があれば、そこから次に学ぶことができるからです。

5.まとめ

少し話がそれましたが、まとめておくと、

  • 目標とは、成し遂げようと目指す事柄を達成するために設けたまと
  • 目的とは、目標を決定づけるための動機、欲求
  • 目的と目標は、俯瞰する視点によって抽象度が変わる
  • みなさんも、既に目的や目標を設定したことがあるはず
  • なんでも良いのでその時自分が1番納得できる目的や目標を設定する

1番最後が重要で、アントレ講座では講師やTAがみなさんの話し相手になって、みなさん自身が3か月後にどんな自分になりたいか、そのためにはどんなストーリーを描くか、ストーリーを実現するために必要なことは何か、を考えるお手伝いをさせていただきます。

というわけで、どんな人がいるかだけでも覗きに来る価値があると思うので、興味があれば4月23日の説明会にお越し下さい。

ではでは。