AI研究者の青田買い
The Economistの今月の記事のひとつの紹介です。
AIの研究者がビッグなテックファームに青田買いされまくってるけど、アカデミアは大丈夫か?って話です。
本誌は、シリコンバレーに枯渇しているのはお金ではなくて、タレントだから、テックファームがタレントの育成をほっとくわけがない。アカデミアが心配するようなビジネスによる青田買いのせいで、未来を担う研究者が育たないってことにはならないでしょってスタンスのようです。
記事で紹介されている主なファクトは以下の通り。
- Google、Facebook、Microsoft、百度などはAI研究に昨年$8.5billion投資。
- Uberは米Carnegie Mellon大学のNational Robotics Engineering Cetreから140人いるスタッフのうち40人を採用。
- マシンラーニングの研究者に対する需要が逼迫。特に次の領域で活用。スパムのフィルタリング、オンライン広告のターゲティング、自走自動車、画像診断など。
- テックファームは、圧倒的なコンピューターの計算力とデータセットを提供することができて、それが研究者にとっては魅力的。
- 大学の首脳陣は、タレントが育たないこと、研究成果が一部の企業に偏在することを懸念。
- テスラのイーロンマスク達は、AIの研究成果を公開する非営利組織Open AIIに将来的に$1billion以上投資することを宣言(Open AIのblogによると当初数年は、そこまで使わないそうです)。
これだけみると、アカデミアにしか提供できない価値がないと、どんどん人材が流出するような気がしますねー。
AIの発展には圧倒的な計算力と情報が必要ならそれは既にテックファームに提供されちゃってますし、技術のオープン化はイーロンマスクがどんどん進めそうですし。
基礎研究なら抽象度が高いから、難易度高くて、実用性からも遠いってことでアカデミアに活躍の場がありそーだけど、そもそも基礎研究と応用研究という切り分けでアカデミアとビジネスの役割分担を考えている時点で発想が古いかもしれませんね。
この分野はビジネスと特に相性が良いんですな、きっと。
ではでは。