アントレプレナーシップ論 オープンスクールテキスト
第1章 アントレプレナーシップとは
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1.1. 開講にあたって ――アントレプレナーシップは誰にでも必要――
(本文より一部抜粋)
「Entrepreneurship」は一般に「起業家精神」と訳されています。起業というと多くの場合、会社を始めることと捉えられています。この講座では「Entrepreneurship」をもう少し広く捉えています。この講座では、「Entrepreneurship」を同じ語源と考えられる「Enter」にたとえて理解しています。起業して会社を興すことだけでなく、身の回りにある「『これはおかしい』と思ったことに自ら踏み込んで直していく」という気持ちのあり方と捉えています。自分がいる大学の研究室でも、会社の部署でも、地域の集まりでも問題はたくさんあります。それぞれが抱える問題を「自分が解決しようと思うこと」が「Entrepreneurship」だということです。
1.2. 日本のアントレプレナー
(本文より一部抜粋)
NHKに『プロジェクトX』という番組がありました。新幹線を開通させた人たち、青函トンネルを開通させた人たち、黒部ダムを建設した人たち、阪神・淡路大震災で不通になった線路を復旧した人たち、難事業に取り組んでやり遂げた人たちにスポットライトを当てました。会社を興す人だけがアントレプレナーであるわけではありませんし、組織のトップに立つ人だけがアントレプレナーであるわけではありません。
社会にはやらなければならないことはたくさんあり、それらを成し遂げていった名もない人たちがたくさんいます。私達の講座は、どちらかというとこういう人たちを志向する人たちのために作られています。