交渉にもフレームワークが!! 交渉学講座入門編まとめ

皆さんは“交渉“を経験したことがありますか??
交渉に失敗して苦い経験をしたことはありますか??

誰もが一度は“交渉”を経験していることと思います。例えば、親にお小遣いをもらうための“交渉”、教授から研究室の休みをもらうための“交渉”など、日常茶飯事に起こることでしょう。そんな“交渉“も、実は一つの学問として成立するほど奥が深いのです。

この交渉学の入門編として、4月11日(火)にアントレプレナーシップ論講座講師である、佐藤 裕一先生(通称マイケルさん)に演習形式の講義を行っていただきました。
講義の構成は、前段に交渉学の背景やフレームワークに関する知識の説明、その後、学んだことを基にモデルケースで実践、最後に振り返りというものでした。

以下に講座で学んだ3つのポイントをまとめます。

1.交渉前の準備が大事。構成はフレームワークに沿って

交渉をするにあたって、まず大前提となるのが、事前準備。ここをどれだけできるかが交渉の成功率に間違いなく大きな影響をもたらします。
では、何を準備すればいいのか。それは下記に示す3つのキーポイントをおさえたフレームワークに沿って行うのです。
・MISSON
これは、いわば交渉の先に実現したいゴール、交渉の目的です。まず交渉するにあたり絶対に譲れないことをしっかり確認しておきます。そして、ここをブラさないことが交渉を行う上で最も重要です。交渉中もこれだけは見失わないように心がけます。
・ZOPA(ゾーパ)
これはミッションを実現するための交渉可能な領域(最高と最低の具体的な交渉目標・条件)のことです。交渉の最低条件は、多くの人が無意識に自分で設定できるかと思いますが、考えられうる最高の条件(最高目標)を意識している人は少ないのではないかと思います。この最高点に限りなく近づくよう交渉シナリオを組むことで交渉に幅を持たせることができ、有利に交渉を展開できることとなります。
・BATMA(バトナ)
これはゾーパで設定した最低目標を下回った際に選択する、代替案のことです。BATNAこそが交渉学最大の発見であるとも言われているほど重要なポイントです。
代替案が強いものであればあるほど、交渉に余裕が生まれ強気の勝負を仕掛けやすくなることもあり、BATNAの強さが交渉成功確率を大きく引き上げます。

以上、3つのキーポイントを入念に準備することが大切であると学びました。そしてこれらを考える際にも、ZOPA、BATNAがMISSONを達成するための内容となっているかが重要です。

2.実践することの難しさ

1の内容を頭で理解し、しっかりと準備したつもりでも、いざ実践ともなるとなかなかうまく事を運べないものです。これは実際にモデルケースを通した演習で体感しました。実践で学んだことは、相手の情報をうまく引き出すこと、つまり相手の背景をしっかり理解した上で相手の情報を引き出す会話を行うことです。
例えばモノに関する値段交渉の場合は、こちらの希望額を一方的に提示し続けるのではなく、相手が提示している値段を設定した背景をしっかりと理解すること、その上でどこまでなら交渉の余地があるかを探ることがよい結果につながる確率があがるということです。

3.選択肢の幅を広げる

ZOPAの説明の中にも少し書きましたが、自分のMISSONを達成するためにどのような道があるのか、この道筋を持てば持つほど交渉の際にGOALに辿り着きやすくなるのです。
例えば、モノを売る交渉の場面では、「今回の金額と個数」の条件だけではなく、「半年後の再購入」や「関連企業の紹介」といった条件を加えて考えると、各条件の組み合わせで交渉の選択肢が大きく広がるのです。
幅を広げるためにも、事前の入念な準備が必要であることが再認識できました。

以上の他にも、大変参考になるお話だらけの充実した講義でした。この知識を実践できるかは、今後の自分の人生を左右するといっても過言ではありません。これを読んで興味をもたれた皆さんも、一度交渉学を学んでみてはいかがでしょうか??

アントレプレナーシップ論講座では本講座の中にも交渉学の講義を予定しております。
交渉学の他にも、思考法、調査、マーケティング、起業に関する優良講義が目白押しです。
本講座は間もなくスタートします。講座に興味のある方は下記HPよりお問い合わせください(基本的に学生を対象としております)。
http://mediafrontier.main.jp/ops/

佐藤 裕一先生、交渉学に関する情報は下記をご参照ください。
http://glial.co.jp/