あきらめないこと、自分が変わること。それで現実は変えられる。

<a href="http://www.flickr.com/photos/ifl/">Photo by Peretz Partensky</a>

「今でもメンバーから教わることが多く、尊敬できるチームです。」
彼女は誇らしげにそう語っていた。

この講座は大学院生や学部生だけに留まらず、仕事をしている人が受講したって構わない。
とはいえ昼間仕事をしている人にとって、週に20〜30時間近い個別の作業時間や頻繁なメールのやりとり、
そして毎週の行われる講義に参加するのは容易なことではない。

それでも講座を3ヶ月間やりぬき、確かな変化を見せた去年の受講生の話を紹介しよう。

「No」と言われたところから、全ては始まる

彼女が受講に至った背景は、上司からの勧めだったそうだ。
彼女自身、本業のプログラミング以外への挑戦を望んでいた。

「アイデアから事業を企画できる人に。更に自らの行動で企画できる雰囲気の
少ない周囲に対して、影響を与えられるようになりたいと思っています」
そんな思いを胸に彼女は扉を叩いた。

社会人特有の大変さみたいなところで(多分)、運営の一部からは彼女の意思表示に対してキツい風当たりがあった。
一部の過激な理想論者に標的にされていたと言ってもいいのだが、それでも彼女は受講を決意してくれた。
そして可能性の芽は3ヶ月間で無事花開き、大きく成長した姿が見られたので良かった。

「色々言われれば言われるほど、『やってやろうじゃないの!』という気持ちが大きくなりました」

クールじゃないか。
「No」と言われたところからがスタート。
この講座に限らずね。

真に自分から動き出すと、世の中が変わり始める

彼女のいたチームではメンバーの脱退が、それもチームがまとまりつつあると思っていた時期に起きたようだ。

脱退したメンバーは”自分の力で自分を変えていき、結果として社会に影響を与える人になる”のではなく、
“優秀な人に囲まれたい”だけのありがちな学生だった。
起こるべくして起きた脱退だし、いても無駄だろうなと傍から見ていて感じてはいたけれど。

とは言えメンバーとしてはショッキングな事態だし、チームが良くない方向へ行ってしまうのではないかという
不安を彼女は持っていた。でも、彼女もそのチームも立ち止まらなかった。

「一人一人が主体的に動くようになっていったので(そうせざるを得なかった)、
後半はむしろ脱退が良かったのではと考えるようになりました。」

きっかけは何であれ、メンバーが一歩成長した瞬間。
誰もが疲弊していたけれど、決して輝きが、瞳の中に確かにあった。

彼女自身はどんな変化をし、何をなそうとするようになったのだろうか?

「最高のメンバーだと確信していたので、どうしたら個々の持ち味を最大限に発揮できるかを考えていました。」
「チームのモチベーションが上がっていたら、冷静な発言をしたり、逆に勢いがなくなってきたと感じたら
現状のメリットを探したりとチーム全体のバランスが取れるように心掛けていたと思います。」

職場の雰囲気を変えられるような自分になりたい、その志を実現するための1歩を踏み出せたのだと思う。

変化を起こせるのは、限られた人の能力や特権じゃない

「前は、職場で仕事の内容しか話題に挙げられなかったですが、今は先輩と昼ごはんを食べに行ったり、
同僚と定時後にバレーボールをする機会ができたりとかなり雰囲気が変わってきたと思います。自分が
引っ張る事よりも、どう他人を動かすかを考えるようになりました。」

影響を与えるというのは特別な人間だけがやることではないし、リーダーシップを学ぶことが唯一の方法論でもない。

一人の変態的なカリスマが現れるのを待つのでも、あるいはそんな存在になろうと無駄な努力を推奨するのでもなく、彼女のようにごく自然に前に進む存在。そういった人たちが世の中に溢れることこそ、社会が変わる力になるんじゃないかと思っている。

(文責:TA宮野)

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