Shoe Dog : ナイキ創業者フィル・ナイト自伝
『Shoe Dog』はアントレプレナーについての面白い本です。ナイキを創業したフィル・ナイトが書いた本です。最後の方に書いてありますが、死ぬ前にやり残したことはないかと思って、自分の経験を伝えたいと思って書いたものだということです。友人から手紙や写真を取り寄せて書いたということで、痛快です。本音書きすぎでしょー、でもまあ、関係者も鬼籍が近いということなのかという本です。彼が人生で関わった人について赤裸々に描かれています。褒めているところはほとんどなく、変人たちの生態を描いたような内容です。
そんな本なのですが、創業以来、お金の苦しみばかり、事業は拡大するがいつも仕入れるにはなるお金が足りず困っていたという話が、人物評含めて、実話風に続きます。
あまりに面白いので何回かに分けて紹介します。
ナイキはもともとブルー・リボンという会社で、オレゴン州で陸上をやっていたフィル・ナイトが創業します。フィルはバックと呼ばれていたそうです。
ナイキの製品開発で活躍したことで知られるバウアーマンも登場します。バウアーマンは1972年のミュンヘンオリンピックの米国陸上チームのコーチも務めた陸上界の有名人でした。アントレプレナーシップとは直接関係ありませんが、ミュンヘンでのテロ事件の話も出てきます。テロに際してバウアーマンが海兵隊に保護を依頼したことが問題になったことが書かれています。バウアーマンの生き方も興味深いものです。
全編にわたって、こうした事件や出来事が詳細に書かれています。最近の論理だった書籍に慣れていると、最初は読んでいて、関係ない話ばかりだなーと思います。しばらくすると慣れてきます。
大ヒットとなったナイキエアーも最初はリコールで大変だった話など逸話が満載です。そもそも、ブルー・リボン社は、日本のオニズカタイガーの輸入販売からスタートしているというのも以外の話です。オニズカとのいきさつは、本書1/3くらいにわたって登場します。現婦人の前の彼女との出会いと別れも書かれています。そこまで書くかというくらいに個人的なこともたくさん書かれています。
そんな大量の逸話の中、フィル・ナイトの考え方、体験が家族との関係まで含めて多面的に書かれています。夫人との熱愛や子供への思い、社員との関係など、起業を目指す人には勇気づけられる逸話が次から次と出てきます。
全9回シリーズです。